今年12月からBSデジタル放送の本放送が始まるが,双方向サービスがあることを知っているのは約5割,さらに2010年以降は現在のアナログ方式の受像機だけではテレビを見られなくなるという将来計画を認知しているのは2割に過ぎないことが明らかになった---日経BP社調査部が2000年9月末に実施した消費者調査の結果である。対象は基本的にインターネット利用者であり,比較的新しいものに敏感な人々である。デジタル・テレビに関する一般消費者の認知度はまだ低いレベルにある。

2001年~2002年に登場する受像機のイメージを認知しているのは14%

 来年(2001年)以降のデジタル放送の将来計画や,デジタル方式で可能になる機能,受信料などについての認知は2割以下の低い水準にとどまっている。たとえば,2001~2002年に「BSとCS両方のデジタル放送が受信でき,ハード・ディスクを内蔵するテレビ」が登場予定であることは13.8%の認知しかない。地上波デジタル放送の開始について知っている人は10.9%に過ぎない。

 消費者の認知度が高いのは,「BSデジタルという言葉」(84.3%)のほか,「高画質・高音質の実現」(82.1%),「専用チューナー等が必要であること」(70.5%)といった基本的な知識である。「データ放送による双方向サービス」(52.6%),「9月にBSデジタル試験放送開始」(48.4%),「12月にBSデジタル本放送開始」(42.6%)などは,9月の試験放送開始時やシドニー・オリンピック時にかなりの規模の告知・広報活動が行われたにしては,まだ低い数値にとどまっている。
(村中 敏彦=日経BP社調査部)


デジタル・テレビ放送に関する消費者の認知度(日経BP社調査部調べ)


【調査方法】
 日経BP社調査部がインターネット調査システム「Web-Res」を利用して,2000年9月21日~10月2日に「シドニー五輪とデジタル家電についてのアンケート」と題する調査を実施。有効回答数は1万8713件。回答者は男性61%,女性38%。平均年齢は34.3歳。回答者は基本的にインターネット利用者。デジタル・テレビとT(テレビ)コマースに関する詳細は『デジタル・テレビ市場調査2000<シドニー・オリンピック編>』(10月24日発行)にまとめた(日経BP社調査部のサイトを参照)。